◎17番(
青木豊一君) 17番
青木豊一でございます。 請願第9号 市の
公共料金への
消費税上乗せ撤廃を求める請願書につきまして、
補足説明を申し上げたいと思います。 消費税を争点といたしました先の7月の
参議院選挙の結果、国民は消費税にノーという審判を下しました。 中野市の選挙結果を見ましても、消費税を強行した自民党は
比例代表選挙では有権者の20%弱しか支持を得られませんでした。 このことは、中野市民もはっきりと消費税の廃止を要求したことを示すものであります。 市長は昨年9月議会の私の質問に、消費税については市民の意思を尊重して対処していきたいというふうに原則的に考えておると答弁されておりますように、当時と同じ土屋市長ですから、
市長自身が
議会制民主主義の立場に立たれるならば、市の
公共料金への
負担転嫁は撤廃しなければならないと考えるわけであります。 中野市の場合に使用料、手数料に原則転嫁となっております。中野市の
公共料金への
負担転嫁は毎日の生活に欠かせない
上下水道料金だけでも 1,600万円、
し尿くみ取り料で 330万円など、条例改正だけでも 2,000万円を超える多額のものであります。 このような生活と密着するものは、低所得者ほどその生活を脅かすものであります。 以上のように、第1に主権者である市民の圧倒的多数が消費税の廃止を要求したこと、第2に市の消費税の
公共料金への上乗せは市民全体、とりわけ低所得者に重い負担を強いること、第3に消費税の
上乗せ転嫁をしない自治体もあり、
市長自身の
政治的判断によって
十分負担転嫁を撤廃することができること、第4に
市長自身が本議会におきまして市民の意思を尊重すると答弁されている等から見ても、市の
公共料金への
消費税上乗せを撤廃することは当然であり、
圧倒的市民が強く望んでいるところであります。 よって、本議会におかれましても、請願の趣旨を十分踏まえ、ご賛同いただき、採択され、
関係行政庁に意見書を提出されることを強くお願い申し上げまして、
補足説明にかえさせます。 以上です。
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△6 請願第10号 消費税の廃止を求める請願
△7 請願第11号 米輸入・
食糧管理制度解体に反対し、
減反縮小、
土地改良の促進と
負担軽減を求める請願
○議長(荻原勉君) 日程6 請願第10号 消費税の廃止を求める請願及び日程7 請願第11号 米輸入・
食糧管理制度解体に反対し、
減反縮小、
土地改良の促進と
負担軽減を求める請願の、以上請願2件を一括して議題といたします。(
議会事務局長徳武栄一君請願書を朗読する。)
○議長(荻原勉君)
紹介議員において
補足説明がありましたら願います。 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◎17番(
青木豊一君) 請願第10号 消費税の廃止を求める請願書につきまして、
補足説明を申し上げます。 先ほども申し上げましたように、先の
参議院選挙で消費税を強行した自民党が大惨敗を喫しました。これは、国民の意思が消費税に対してはっきりノーということを見事に証明した結果であります。このように国民の審判が下った以上、無条件に消費税を廃止することが当然のことであります。 消費税は既にご承知のように、国民生活を脅かす大悪税であるとともに、国民に対する選挙の公約を公然と踏みにじったものであります。その点では、まさに二重、三重に許しがたいものであると言わなければなりません。
政府自民党は消費税の見直しを口にしておりますが、これは内税にし、税の痛みをわかりにくくし、国民の目をごまかし、結局は消費税を存続するというところにこそ根本的なねらいがあるわけであります。 まさにその点では、国民の審判に背を向けるものと言わなければなりません。まして、消費税を廃止するなどと言うなら、財源を示せという、このような国民への居直りは絶対に許されるものではありません。 もちろん、私たちは必要な財政措置は十分持っております。しかし、今、真に国民の負託にこたえるとするならば、国民が消費税は嫌だと、こういった意見に対し、直ちにこたえることこそが
議会制民主主義の最小限の課題であると考えるものであります。まして、みずから国民に
大型間接税のようなものはしないと約束し、それに反した行為を行ったわけですから、国民に対して謝罪をするとともに、7月の
参議院選挙ではっきり審判が下った消費税の「廃止せよ」、こういう国民の声に無条件にこたえることが必要であります。 その点で、本議会といたしましても、中野市民の圧倒的多数が消費税の廃止を明確にした今度の
参議院選挙の結果を踏まえ、
関係行政庁に市民の代表としてその声を伝えることが最低限の本議会としての仕事だろうと考えるわけであります。 よって、本議会におかれましても、請願の趣旨を十分踏まえていただき、
関係行政庁に意見書の提出を求めされることを強くお願い申し上げまして、
補足説明にかえさせていただきます。 以上です。
○議長(荻原勉君) 3番
松島敏正君。 (3番
松島敏正君登壇)
◎3番(
松島敏正君) 3番
松島敏正でございます。 米輸入と
食糧管理制度解体に反対し、
減反縮小と
土地改良の促進と
負担軽減を求める請願について、
補足説明をいたします。 ことし3人目の農林大臣に就任しました鹿野道彦氏は、先の参議院選の
自民党惨敗の大きな引き金となった農政不振の要因について、牛肉、オレンジの
輸入自由化をしないと言い続けたあげく、結果的には自由化をした、このままでは米も自由化されてしまうとの不安感が広がったと述べ、一方では今までの路線を踏襲しながらも手順を尽くして農家に理解してもらうようにしたいとして、農政路線の
根本的見直しを考えることのないことを明らかにしています。 つまり、農産物の
自由化路線を一層推し進めようとするものであり、アメリカへの強い依存は、独立国としての民族自立の基盤をいよいよ崩していくことになるわけであります。 また、
農政審議会は、今後の米政策及び米管理の方向を確認し、
食糧管理制度の解体と米の輸入に道を開く方針を固めました。 さらに、
水田農業確立対策では、後期対策に向けて現在の77万ヘクタールから90万ヘクタールに拡大する計画が進められておると言われ、今でさえ安心してつくれるものが何もないという農村の現状を一層深刻な状態に陥れる結果となり、日本農業全体が崩壊せざるを得ないということになるわけであります。 このような中でも、農民は必死の努力で農家の自立を目指して頑張っており、
土地改良事業に取り組んでいるわけですが、その負担も大変重く、農家経営の苦しみの要因の一つとなっております。 今議会でも明らかにされましたが、現在中野市で取り組んでいる事業も、この先10年はかかるということですから、
農家負担はますます大きくなるわけであります。 もともと、農業は太陽のエネルギーと
大気土壌圏に存在する
生命構成物質を生産物として取り込みながら、再び大気土壌に返し、地球上の生命を豊かにはぐくみ、支えるという人類が生きる原点であります。 日本農業と中野市の農業を守り発展させる上で、当面緊急な課題5項目について議決をいただき、関係機関へ意見書の提出をしていただきますよう、
議員各位のご協力をお願い申し上げまして、説明といたします。 以上です。
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△8 議第1号
水爆水没事故に抗議し、非核三原則の堅持を求める意見書について
△9 議第2号 消費税の
早期見直しを求める意見書について
○議長(荻原勉君) 日程8、議第1号
水爆水没事故に抗議し、非核三原則の堅持を求める意見書について及び日程9、議第2号 消費税の
早期見直しを求める意見書についての、以上議案2件を一括して議題といたします。(
議会事務局長徳武栄一君議題を朗読する。)
○議長(荻原勉君) 提案者の説明を求めます。 3番
松島敏正君。 (3番
松島敏正君登壇)
◎3番(
松島敏正君) 3番
松島敏正でございます。
水爆水没事故に抗議し、非核三原則の堅持を求める意見書について、
提案説明をいたします。 1965年12月5日、沖縄近海でアメリカの空母「タイコンテロガ」から転落した核攻撃機が搭載していた水爆が水没し、現在も放置されたままになっております。そして、この水爆は
広島型原爆の80個分の破壊力を持つと言われ、しかも、その空母は2日後に横須賀港に入港していた事実も明らかになりました。 この事故によって、国民の平和を求める願いと、非核三原則に対する大きな不安と疑問を投げかけました。 我が中野市においては
非核平和都市宣言が、今からちょうど5年前の議会で採択がされました。そしてまた、4年前には全市民的な規模で取り組まれました
核兵器廃絶を願う署名が市民の過半数を超える皆様の署名が行われ、
核兵器廃絶と世界の恒久平和を求める市民の強い願いが示されております。 しかるに、政府に対して、
水爆水没事故についての真相を徹底的に究明し、国民の不安の解消に努めるとともに、真の平和と安全を守り、核兵器のない日本と世界をつくるために非核三原則を厳密に守ることを強く要望するものであります。
議員各位のご理解とご賛成をいただきまして、市民の願いを政府に伝えられますようにお願い申し上げまして、
提案説明といたします。
○議長(荻原勉君) 19番
田尻文春君。 (19番
田尻文春君登壇)
◎19番(
田尻文春君) 19番 田尻でございます。 議第2号 消費税の
早期見直しを求める意見書について、提案の説明を申し上げます。 消費税は納税者の圧倒的多数を占めるサラリーマンの重税感、
高齢化社会に備えての福祉の充実、
不公平税制等の問題を改善するため、直間比率の見直しをする中で、大幅な減税とあわせ、薄く、広く負担を求め、世代間の相互の協力により社会を支えることのできる税であり、21世紀の社会を展望するとき、避けて通れない不可欠な税制であるということを広く理解されなければならないものであります。 しかし、なじみの薄い税であり、しかも国会審議も十分尽くすことができず、法案成立から3カ月しか準備期間がなかったため、国民に十分理解されないまま4月実施となったもので、実施後、買物の煩わしさ、免税点の
問題等幾つかの指摘が出ていることも事実であります。消費税についての論議が深まりつつあるところであります。 こうした情勢にあって、平成2年度予算の焦点にもなる消費税について一層論議が深まり、国民の理解が高まりつつある中で、自民党は責任政党として実施後の国民世論の動向を踏まえ、改善すべき点を素直に見直し、より国民、市民に理解される消費税となるよう検討される必要がある考えるものであります。 すなわち、消費税は福祉を目的として内税方式に統一、
非課税品目の拡大、二重課税や免税点の抜本的な見直しなどを具体的に検討され、改善されることが急務であります。 この際、私
たち地方議会としても消費税の原点を考え、見直すべきは見直し、改善を図り、福祉社会の充実、公正、公平で国民に広く理解される税制が確立されるよう、消費税の
早期見直しを求める意見書を提出するものであります。
議員各位のご賛成をお願いいたしまして、
提案説明といたす次第であります。 終わり。
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△10 議案質疑
○議長(荻原勉君) 日程10 これより
議案等質疑を行います。 初めに請願第5号 「
義務教育費国庫負担制度」の堅持に関する請願から、請願第7号「新
育児休業法」の
早期成立に関する請願までの、以上請願3件について願います。 (発言する者なし)
○議長(荻原勉君) ありませんければ、請願第8号
消費税廃止を求める請願及び請願第9号 市の
公共料金への
消費税上乗せ撤廃を求める請願の、以上請願2件について願います。 (発言する者なし)
○議長(荻原勉君) ありませんければ、請願第10号 消費税の廃止を求める請願及び請願第11号 米輸入・
食糧管理制度解体に反対し、
減反縮小、
土地改良の促進と
負担軽減を求める請願の、以上2件について願います。 (発言する者なし)
○議長(荻原勉君) ありませんければ、議第1号
水爆水没事故に抗議し、非核三原則の堅持を求める意見書について及び議第2号 消費税の
早期見直しを求める意見書についての、以上議案2件について願います。 17番
青木豊一君。
◆17番(
青木豊一君) 議第2号の消費税の見直しを求める意見書について、お伺いをしたいと思います。
提案説明でも、意見書案によりましても、消費税そのものは根本的には守るということが大前提になっているわけですが、ここにありますように福祉目的税か、あるいは内税にしたことによって国民の税負担がどのように軽減されるのかどうか。この点についてお答えしていただきたいと思います。
○議長(荻原勉君) 19番
田尻文春君。
◎19番(
田尻文春君) お答え申し上げます。 ただいま、我々はあくまでも政府へ持って意見書を提出するなどということでございますので、この中でどのくらいのものが新しく見直されたということにつきましては、まだ何もございません。わからない部分についてのご説明は申し上げられません。
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。
◆17番(
青木豊一君) 細かな形式云々ということを私が言っているんじゃなくて、福祉目的税にした場合にも、あるいは内税にした場合でも、消費税が払わなければならないということは、これは非常もうはっきりしているわけですね。それらが目的が福祉のためだと言ったとしても、結果的には国が予算編成の中でいろいろ動かすことでありますし、また今まで新しく消費税がつくられても、新しい福祉の施策でこうした事項というものは基本的にはないというふうに判断するわけでありますが、そういう点でこの福祉目的税かあるいは福祉税が決して国民が期待しているものとはかけ離れているとふうに思うわけですけれども、改めて伺います。
○議長(荻原勉君) 19番
田尻文春君。
◎19番(
田尻文春君) ただいまの青木議員の質問にお答えを申し上げるわけでございますが、私の知っている範囲内では福祉目的税にしろという市民の声が多いわけでございます。それとあわせまして、福祉の例によりまして、青木議員も高齢者の見舞金云々というようなこもと申し上げておられるわけでございますが、いずれにしても財源がなければ、これはできないというふうに思うわけでございまして、その財源的なことになろうかと思います。 よろしくお願いします。
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。
◆17番(
青木豊一君) お聞きしていることは、先の
参議院選挙におきまして、先ほど
提案説明にありましたように、かなり自民党が無理をしてこの消費税を通過したと。その結果に対する国民の審判が全国的にも、また中野市においても非常に鮮明に示されているわけでありまして、これは廃止という方向が強かったわけであります。 また、今ご説明がありましたように、福祉に使うということでありますが、今、自民党政府が考えていることは、改めて、今まで60歳から厚生年金等が支給されたことが65歳からじゃないと支給できないと、こういう新しい法案を考えていることをみますと、
提案説明、あるいは今のお答えでは納得しかねるわけですけれども、改めてお考えを伺いたいと思います。
○議長(荻原勉君) 19番
田尻文春君。
◎19番(
田尻文春君) 先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、福祉目的ということが第一の主眼でございますけれども、その中では
非課税品目の拡大とか、それから、そのほかいろんな物品についての見直しをしろということを申し上げるわけでございます。 先ほど申し上げたとおりでございます。
○議長(荻原勉君) 3番
松島敏正君。
◆3番(
松島敏正君)
提案説明に対して1点お聞きをしたいわけですけれども、消費税自体が国会で十分審議がされないまま実施をされたというふうにご説明なされたわけですけれども、ならば、もとへ戻して、国会で十分審議をし尽くして、国民が理解が得られる形で法案が通されるべきだというふうに思うわけです。そういう意味で、その辺についての見解をどのようにお考えであるかお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(荻原勉君) 19番
田尻文春君。
◎19番(
田尻文春君) それは私、先ほどご説明申し上げましたように、もとに戻すということじゃなくて、現在あるものを見直していく、こういうことでございますので、ご理解いただきたいと思います。 (発言する者なし)
○議長(荻原勉君) ほかにありませんければ、以上をもって
議案等質疑を終結いたします。
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△11
議案等付託 議案等付託議第1号
水爆水没事故に抗議し、非核三原則の堅持を求める意見書について議第2号 消費税の
早期見直しを求める意見書について請願第6号 消費税の廃止を求める請願請願第8号
消費税廃止を求める請願請願第9号 市の
公共料金への
消費税上乗せ撤廃を求める請願請願第10号 消費税の廃止を求める請願 以上 総務委員会請願第5号 「
義務教育費国庫負担制度」の堅持に関する請願請願第7号 「新
育児休業法」の
早期成立に関する請願陳情第5号
国民医療改善についての陳情陳情第6号
県民医療改善についての陳情 以上 社会文教委員会陳情第7号 中野市・山ノ内町
南部道路改良に関する陳情 以上 建設水道委員会請願第11号 米輸入・
食糧管理制度解体に反対し、
減反縮小、
土地改良の促進と
負担軽減を求める請願 以上 経済委員会
○議長(荻原勉君) 日程11
議案等付託をいたします。 議第1号及び議第2号の、以上議案2件、請願第5号から請願第11号までの以上請願7件並びに陳情第5号から陳情第7号まで、以上陳情3件について、お手元に配付してあります
議案等付託表のとおり、各常任委員会に付託いたします。 各常任委員会におかれましては、議案等の審査を願い、9月19日午後5時までに議長の手元まで報告願います。
--------------------------------------- ここで10分間休憩いたします。(休憩)(午前10時51分)
---------------------------------------(再開)(午前11時05分)
○議長(荻原勉君) 休憩前に引き続いて会議を再開いたします。
---------------------------------------
△12 市政一般質問
○議長(荻原勉君) 日程12 これより昨日に引き続き、市政一般質問を行います。 経済関係の順位1番、農業振興について、13番 阿部 勲君。 (13番 阿部 勲君登壇)
◆13番(阿部勲君) 13番 阿部 勲でございます。 先にご通告を申し上げておきました農業振興につきまして、市長にお伺いをいたします。 昭和60年代から急激な円高で景気の低迷の上、輸入農産物の増大、加えて農産物の過剰基調の中に推移をし、農業情勢は大変厳しい情勢下に置かれていることは申し上げるまでもないのでありまするが、国においての
農政審議会から示された21世紀に向けての農政の基本方向や、また県におきまする競争に打ち勝つ個性ある、たくましい農業展開を目指す長野県農業を21世紀への展望で方向を示されております。 市におきましても、第二次基本構想に伴いまする基本計画にも、21世紀に向けての方向として力強く受け止められておるわけでございます。 国の農政に対する対応は、意欲に燃える若い青年層の農業従事者を非常に失望させているようにも見受けられます。 農産物の自由化は次々と進んでまいり、今や我が国の主食の米の自由化までも迫られているというような現状でございます。 どう対応し、どう農村を守っていくのか、農家はその方向を求めているが、確かな対策は示されていないように思われるわけでございます。 このままでは農業農村が衰退してしまうという危機感さえ生じている、こうした大変の現状の中で、市は活力ある高度産業都市を目指して、先進的な農業振興に多くの施策のお取り組みをいただいておられるのでございまするが、次の4点につきまして質問を申し上げます。 まず第1点は、全国的な共通点でもある基幹的農業従事者の減少の中で、中核農家育成を図る上で、農業後継者確保は緊要な課題であり、多くの施策とお取り組みをいただいておりますが、前段申し上げたような農業農村の危機感から、当市におきまするUターン者を含めた新規就農者が極端に昨年来減少を来たしております。 農水省の発表の全国的な傾向の上でも、農家子弟の学校卒業後自家農業についた人は、昨年は全国で 3,500人と言われていますが、さらに今年は 1,400人を下回って、わずか 2,100人となっているというような、こうした報道等も聞くわけでございます。 こうした急速な減少は、農産物の価格の引き下げや自由化など、農業の将来不安がもらたしたものと思われるわけでございます。 当市におきましても、今まで40人前後と続いておりました新規就農者は、昨年が12人、本年は17人と聞いております。 農業生産力維持のためにも後継者とその配偶者対策を含めて、積極的なお取り組みを願わなくてはならないわけでございまするが、市長のお考えをお伺いをいたします。 次に、高生産性農業により生産額を上げ、合理化、省力によって所得の向上を図るのが農業経営の上で必須の条件であるが、このごろ発表の、昭和63年度の当市の農業生産額は過去最高の 231億 6,000余万円で、農家1戸当たりにしても 593万 4,000円とあり、県下はもちろん全国的にも有数な産地となりましたことは農家各戸の努力はもちろんのこと、生産組織の充実とそれぞれの関係機関の指導体制の充実であり、敬意を表するものであります。 生産額の内容を見る上で、きのこ類は 112億余万円で、半分近い48.6%で、大きな伸びを示しております。 これは大型化されてきたきのこ産業が要因と思われまするが、強いて申し上げたならば、規模拡大の成果と受け止められるわけでございます。 統計事務所の農家経済調査でも、長野県内の農家所得の農業依存度は17.4%と、過去最低に落ち込んでおり、農業の地位低下と自立農業の難しさを示していると言われていますが、当市の産業別人口の第一次産業の率を見ても、他よりははるかに後位にある、こうした中にあって、さらに生産を高めるために、農用地利用増進、農用地高度利用促進等のより活用によりきのこ類以外の作物生産の増大を図られることが、これまた大変必要なことと思われますが、その対応について市長のお考えをお伺いいたす次第でございます。 3点目でございまするが、高生産性農業と高付加価値農業を進める上で、高度の技術指導が要請されることは申し上げるまでもないのでございます。 市長の、今議会冒頭のごあいさつの中で、春先の低温多雨の気象条件で、黒星病の異常大発生を見、収穫期を控えて懸念をしているとのお話がございましたが、地域によっては昨年のひょう害、加えて本年度の黒星病の被害は、りんご生産農家に極めて甚大な打撃を与えるものと思われます。 しかし、市の急速な対応の上で、一斉防除等によりその後の蔓延を防止することができました。その急速な対応に深く敬意を表するものであります。 しかしながら、昨年来黒星病発生の兆侯が見受けられる中、これを未然に防止することができたらと大きくお互いに反省をするものでございます。 また、一つの例でございますが、ぶどうの巨峰の安定栽培に長い間不可欠と言われて使用してまいりました、B9剤が来年度より使用禁止が予想されていますが、今後栽培指導の上で根本的な見直しが必要だと言われてますが、これらは全くの一例であり、農業全体の上で農産指導を主力的に分担する農協は、生産農協としての原点の上に立って、また農業改良普及所、県は貴重な試験結果を生かし、情報化社会の上で、市を含めて優れた生産指導ができる指導体系の確立を私どもが望んでおるということを聞いておるわけでございます。 これに対するお取り組みとお考えをお伺いをいたします。 最後の4点目でございまするが、優れた農業経営を取り組む上では当然施設等、多額の設備投資資金が必要になるわけであります。資金対応については農業近代化資金、農業改良資金、農林漁業資金等、制度資金を積極的に活用されておりまするが、中核農家育成の上で農業後継者資金、農業改良資金あるいは農業技術導入資金等、無利子の資金の枠増大と、利子補給を受けておりまする利子補給の制度金の増額を国、県等に強く要請されるお考えはどうかお伺いを申し上げて、質問を終わります。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) お答えを申し上げたいと存じます。 阿部議員の我が国農業の、そして農家の将来を憂慮されたご質問に対して共感を持つものでありますし、またとりわけ本市農業の将来にいろいろご質問の中でございましたことに敬意を表する次第でございます。 国の農業政策の厳しさは今さら申し上げるまでもないわけでありまして、お互いにこの際国に要求すべきは要求し、そしてまた農家自身がお互いに英知を出し合って、そして活力ある、また魅力ある新しい農業へ志向をしなければならないというふうに考えます。 毎年、当市の農業への新規農業者は十数名から30名でございました。ご質問の中にあったとおりでありますが、その率は割合に低いわけでありまするけれども、全国的には高い方と言われておるわけであります。こういう中で特に若い農業後継者の核をなす農協青年部 364名の活躍に対して魅力ある農業の後継者づくりのため大きく私どもも期待をいたしていおるところであります。 農業後継者の確保につきましては、お話のとおり、これという決め手がないのが正直なところでございます。関係機関、団体等とお互いに連携を取りあい、検討しあって、農業後継者の定着、そういうものが、何が必要かと、そういう後継者づくりには何を必要かということをさらに研究、検討を深める必要があるというふうに考えまして、ただいまも努力をいたしておるところであります。 市の63年度農業生産額は過去最高で、県下はもちろん、全国的にも農家1戸当たりは高位置にあるわけでありまして、このことはご質問の中でご指摘のとおりであります。 しかし、きのこ類がその約半分を占めている。したがって、きのこ以外の作目増大ということが必要ではないかというふうに言われておるわけであります。 農業生産額の48.6%、 112億円は今お話のとおり、中野市では菌茸類でございまして、ぶどうとアスパラがそれぞれ30億円でございます。 これを農家1戸当たりの生産額といたしますと、県下の約 2.7倍でありまして、今申し上げたように県下はもちろんのこと、全国的にもトップクラスの生産額を上げる農業地帯ということが言えると思うわけであります。 巨峰ぶどうについては、順調に伸びておるわけでありますが、さらに私ども非常に大きな関心を寄せておりますウィルスフリー化種苗の早期配布、あるいはまた欧州二媒体の開発導入をできるだけ早く推進をしなければならないというふうに考えております。 りんごについては、価額はご承知のとおり低迷をしておるわけでありますが、津軽に代わる優良系品種への更新、これが当面大事な命題だと思うわけであります。そして、桃、洋ナシについては新品種の導入、あるいはハウス化の開発等新技術の方向を見い出して、高付加価値農業を確立しなけりゃならんというふうに考えております。 実は先日知り合いの青森県の農家の方から聞きましたが、青森県ではりんごの価格が低迷はしているけれども、青森でりんご以外に考えられない。したがって、同じりんごをつくるにもいかに高付加価値のりんごを栽培できるかということを一生懸命農家自身が研究をしているという話を聞きました。先進地の青森県でさえも大きな悩みを持っているということであろうと存じます。 そこで高生産性農業と高付加価値農業施策の上で、高度技術指導が要請されるかどうかと、こういうお話でございます。 新しい高度の技術は果樹試験場や専門技術員などによって、講習会、研修会等が開催をされ、農家の指導に当たっていることはご承知のとおりであります。 黒星病については、特報で中野市内の全園一斉散布の実施、また放任園 249ヘクタールと見ておるわけでありまするけれども、この耕作者に協力を求めて無手入れの果樹園の伐採焼却を協力要請するということ、さらには農薬を散布しない園については特別指導表を樹木にぶら下げて、そして所有者に防除の徹底をお願いをすると、そういうようなことも農協と連絡を取りあってやってきたわけでありますが、また秋散布もそういう内容で実施の方針でございます。 ぶどうのB9についてのご質問でありますが、近隣農協でも使用禁止を打ち出しておりまして、当市においても安全な果物という意味では消費者ニーズにこたえていかなければならないと、至上命題につながってくるわけであります。 これに伴う技術指導については試験研究機関等の指導を得ながら、適切な農家指導がなされるように、これからも努力をしていきたいというふうに考えておりまするが、お互いに知恵を出しあって、そして研究しあってということが今日当面の手探りの状態の中の対策というふうに申し上げざるを得ないわけであります。 次に若い農業後継者のぶどうに限らず、他作目の施設栽培の増加が予想されるので国、県等への資金対応、ないしは利子補給等の要請をしろというお話でございます。 サクランボ、桃、洋ナシとも先覚的農家の創意と工夫によりまして、ぶどうに続く施設化が進められておりまして、今後新しい農業への取り組みに期待をいたしておるところであります。 農業近代化資金は国、県と市も利子補給をいたしておりまして、これ以上の上乗せは当面難しいんではないかと思いますが、中核的農業資金は特に市が 300万円を限度に2年間、 2.5%の利子補給をいたしておりますので、この資金を有効に活用をしていただきたいと。 まとめをさせていただきますが、今日、我が中野市の農業、そして農家は魅力ある農業経営ができるならば農業後継者も自然的に増加するでありましょうし、またそういう農業にしなければならないというふうに考えます。そういう意味で、ただいまお答え申し上げましたとおり、市だけに限らず農業協同組合あるいは農業委員会、そして県の指導機関、そういうものと十分連携をとって、中野市の将来あるべき農業の中身というものをお互いに研究、探求をしなければならんというふうに思っておるわけであります。 今後とも市の立場で農業振興に一生懸命に努力をいたすつもりでございます。 今後ともご指導、ご助言をいただきたいと存じます。
○議長(荻原勉君) 次に進みます。 順位2番 商工行政について、17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君) 青木でございます。 商工行政について2点ほどお伺いいたします。 最初に、中小企業退職金制度についてお伺いをいたしておきたいと思います。 中野市に1986年の時点で、事業所が 2,100余、そこで働く労働者が 1,500人近くおいでになるわけであります。ところが中小企業退職金制度に加入されている事業所は 197事業所、労働者で約 1,100人であります。 今、こうした企業に働く労働者の中から退職金くらいはぜひほしい、こういう要望が強く出されているわけであります。中野市といたしまして、こうした制度の加入促進を行政指導をすべき思いますが、お考えをお伺いするものであります。 同時にまた加入促進をするためにも、事業所に対して必要な助成措置を図るべきと思いますが、お考えをお伺いいたします。 次に、中野市の中小企業などへの融資制度の改善についてお伺いいたします。市の融資制度は基本的に市が申し込みを受け付け、企業が借りたいときに借りられるようにするのが最も望ましいことであると思うわけであります。こういう点で、中野市の制度資金の借りやすい方向に改善すべきと思いますが、お考えをお伺いいたします。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) お答えを申し上げます。 まず、中小企業退職者退職金に対する制度のPRと助成ということについてお答えを申し上げます。 ご質問の趣旨の中にありますように、私ども中野市内の企業に中野市内の子弟が喜んで、そして安心して働けるようになるためには、おっしゃるような制度の充実ということが大変大事なことだというふうに考えます。 そこで、中小企業退職金制度については、中小企業退職金共済事業団が直接加入促進月間というようなものを設けて指導をいてしております。 市としても市内各事業所へチラシ等を配って、そして勤労者互助会あるいは企業同和会員事業所等へも情報誌を通して配布をしております。 ことしも促進月間は10月1日から10月31日となっておりますので、これに合わせてPRをし、趣旨の普及徹底を図りたいというふうに考えておるわけであります。 そこで、現在市ではこの制度について掛け金の一部を援助して、そして市内企業の従業員の安定ということを図りたいということで、勤労者福祉の向上という観点から、そしてまた優秀な人材を市内企業に確保するという観点から、これの掛け金に一部補助するということで、既に現在担当事務局で検討をさせております。 次に、融資制度の改善ということでありますが、通常の場合、資金の申し込みから融資までは、融資斡旋申込書を提出して、経営内容調査等を行い、審査を経た上での融資斡旋審査会において決定をされるわけであります。 融資をする限り、調査指導ということは、これはやっぱり欠かせないというふうにも考えます。 そこで問題は、手続きの簡素化をできるだけ考えたものにするというふうにしたいというふうに考えます。わかりやすく申し上げれば気やすく利用をしていただけるように努力をいたしたいというふうに考えております。 融資については借金をすると、まあ一般的には借金をするというのはお互いに嫌な感触を持つわけでありますけれども、そういう精神的な負担というようなものも企業によってはあるようでありますから、そういうものをもっと企業経営の責任者の立場に立って、前向きに融資の希望申し込みをされるように指導をしてまいりたいと。 会議所への委託ということも経営指導等々の関係もありまして、会議所と十分横の連携をとってこれを進めたいと思っております。
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
○議長(荻原勉君) 挙手ははっきりしてください。
◆17番(
青木豊一君)
青木豊一でございます。 継続お願いしたいと思います。 市長から答弁がありましたわけですけれども、そういたしますと中小企業の退職金制度につきましては検討中ということでありますけれども、先ほども申し上げましたような数値あるいはまた労働者あるいは事業者からもそうした助成あるいは補助制度を強く望まれているわけであります。そういう点でぜひ一刻も早くこの制度を実施していただきたい。既に他の自治体でもこうした制度を取り入れているところもあるわけでありまして、いつから助成、あるいは補助制度をおやりになるお考えなのかどうか、改めてお考えをお伺いしたいと思うわけであります。 なお、融資制度につきましては、十分、先ほど申し上げましたように本来市がやるべきでありますが、どうしてもの場合には会議所とも十分連絡をとって利用者が利用できやすい、そういう制度をぜひ発展させていただきたいということをお願い申し上げ、またお考えをお伺いするものです。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 先ほどお答え申し上げましたとおりでありますが、助成については常識的に新年度予算からというふうに考えておるわけであります。 ご質問の中にありましたような点については配慮をしてまいりたいと存じます。
○議長(荻原勉君) 次に進みます。 順位3番 観光行政について、16番 岩本博次君。 (16番 岩本博次君登壇)
◆16番(岩本博次君) 16番 岩本でございます。 先にご通告を申し上げました観光行政につきまして、市長にお尋ねをいたします。 去る8月13日から16日までの4日間、中野勤労者福祉センターにおいて中野市制35周年記念特別展で、日本全国50カ所から収集された 1,500点以上の土びなを全国土びな展ということで開催され、1万人近い人々が訪れ、大変な好評を博したことはご承知のとおりでございます。 そしてこれらのすべてが東山会館に併設された、日本では初めてという、日本土人形資料館に展示され、この9月1日オープンされました。開館式に多数の人々が参加されましたが、東山公園にふさわしい、あのすばらしい、古風な建物の中に陳列された全国の土びなや郷土の土びなはひときわ素朴な美しさを醸し出し、その価値の高さをうかがわせているのであります。 NHK、SBC、NBS、TBS等のテレビを初め、各新聞社がニュース番組、新聞記事として取り上げたことは言うまでもありません。 また、テレビNBSは来る9月17日、日曜日午前8時半よりの「やまびこ広場」の番組において30分間、この日本土人形資料館と中山晋平資料館について放映されるようであります。 大勢の市民の方々に見てほしいと願うものであります。 係にお伺いしましたところ、初日は 300人程度が来館され、6日までには 1,000部以上のパンフレットが出るというほどの人気であり、中には東京から見えた人もあるそうであります。 これは、中野市の大きな観光の目玉の一つになることは間違いなく、今後大勢の人々が来館されるだろうと大きな期待を抱いているところでございます。 ここまで進められました市長を初め、関係各位に心から敬意を表するものであり、私も今後大いにPRに努めねばならないと心を新たにしているところでございます。 さて、平成6年には高速道の開通を迎えようとしている北信濃の中核都市、中野市は四季行楽の北信濃の大観光地の玄関口として、また1998年、開催される冬季オリンピック招致を踏まえて、既存の観光施設のなお一層の整備充実と近隣市町村の協力を得て、広域観光の推進を図っていかねばならないと考えますが、これらの問題につきまして6点ほど質問させていただきたいと思います。 まず第1は、中野市が中野インターの開通によって、まさに北信濃の広域観光地の玄関口になるわけであり、そのための整備は当然必要であろうと考えられます。例えばバスターミナルとか、中野市を中心とした観光すべてがPRできるような観光情報を備え、そしてこの地域の特性を生かした観光と地場産業の振興を図るための物産館等の設置が望まれているわけであります。 特に物産館についてのお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと存じます。 また、今日、広域観光の時代とも言われておりますが、近隣市町村の協力のもとに中野市が中心となって、将来に向けての観光ルートの設定を強力に働きかけてみてはと思いますが、いかがでございましょうか。 次は、観光農業についでありますが、中野市は、先ほども市長さんのお話にもありましたように、言うまでもなく、農業においては特に先進地であり、農産物すなわち果物、野菜等が豊富であり、今後観光農業としても一層の推進を図る必要があると考えられます。 例えば、観光客が探索と体験できる農園の設定、オーナー制度による観光客に栽培の喜び、収穫の楽しみを味わってもらう観光農園の推進、中野市のイメージを売り出し商標の作成、生産団体との協力のもとに農産物の土産品、贈答品、もちろん二次加工品も含めての開発でありますが、これらを強力に推進する必要があろうと考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に高社山麓の開発でありますが、言うまでもなく、高社山は私どもにとっては崇高なふるさとの山であり、恵まれたこの大自然を大切にしながら開発を進めなければならないことはもちろんであります。 さて、高社山の北側には牧ノ入スキー場がありますが、これらをさらに拡大と充実を図り、この地域が四季を通して利用できるようにし、特に学生を中心とした観光地域に開発していったらどうかと考えますが、いかがでございましょうか。 また、高社山の南側の共有林についてでありますが、あの美しい自然を生かした中に、大学、研究所、レジャー関連の施設等が考えられるわけでありますが、私は特に中央の大学、または国の研究所の誘致を考えてみてはどうかと思ってはいますが、いかがでございましょうか。 これらは北部幹線の道路建設ということからしても、可能性は十分あると考えられます。 次に、既存の観光施設公園の整備拡充にお尋ねしたいと思います。 中野市には主なものとして中山晋平記念館、東山公園、浜津ケ池公園、壁田城跡公園等がありますが、これらについて周囲の自然環境を大切に生かしながら、それぞれの特色を持った公園、または施設としてさらに設備の充実を図っていただきたいと考えます。 県の昭和62年度観光地利用者統計調査結果によりますと、これは市の経済部の資料をいただきました。中野市は4カ所出ておりまして、東山公園は年間6万 6,500人、浜津ケ池公園が1万 1,100人、高社山が 5,200人、牧ノ入は14万 5,600人であり、県内、県外に分類しますと、東山公園は県内4万 1,500人、県外が2万 5,000人、浜津ケ池公園が県内1万 1,000人、県外100 人、高社山が県内 5,000人、県外 100人、牧ノ入県内3万 9,600人、県外10万 6,000人というこであります。 さて、この数字の中で東山公園は年間6万 1,500人という中に県外の観光客が2万 5,000人おいでになるということは、整備、拡充が進む中で、将来に向かって観光地として大きく望みの持てる点ではないかと思っているところでございます。 中山晋平記念館は昭和62年7月29日のオープンで、この統計には入っていませんが、オープン以来ことしの8月19日で10万人突破されたということであります。しかし、有料者のみとい数字でありますので、すべてを含めると相当の数字になると思われます。 今後浜津ケ池公園は文化公園の建設によって、また東山公園は高梨館跡公園の整備を初め、日本土人形資料館等のオープンによって観光客の数字は大きく変わっていくことと考えられます。 さて、その東山公園についてでありますが、先の
小林東助議員さんの心のふれあう晋平の里づくりについての質問の中で,中山晋平記念館から関連して東山公園一帯、鴨ケ嶽まで含めて、文化ゾーンとしての開発という質問があり、市長さんの積極的な答弁があったわけでございますが、せっかくでございますので、観光という面から質問を続けさせていただきたいと思います。 さて、中野市第二次総合計画の中で、第4章には歴史が活気づく特色ある観光開発と大きく目標を定めております。 東山一帯にまさにそれに当てはまるものであり、無相大師祖堂、大悲閣観音堂、弘法堂、鴨ケ嶽城跡、観光会館併設日本土人形資料館、東山招魂社、東山観音堂、高梨家菩提寺、秦清寺、また今進めていただいております高梨館跡公園を含め、この地域は歴史の宝庫であります。 特色ある観光とは中野市にしかないもの、また全国的に見ても少なく、その価値の高いもので、地域として他に誇れるものでなければならないと思います。日本のフォスターと言われる中山晋平先生とともに、世界的な名僧無相大師は郷土が産んだ偉人であります。 また、高梨館跡、鴨ケ嶽城跡は中世の城跡としては、今日日本にはほんのわずかしか残っていない遺跡の一つとして貴重なものであり、その歴史的価値の高いことは学者の認めているところであります。 今度オープンした日本土人形資料館も、日本では初めてのものであり、これらは私どもが胸を張って誇れるものではないでしょうか。 豊かな自然を生かしながら、 1,000年の歴史を有するこの東山一帯を、すなわち全体を歴史が活気づく特色ある東山公園、すなわち文化ゾーンと位置づけ、広域観光の面からも周辺の道路網を含めて、少し時間をかけても計画的に整備していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 また、観光はよく観光事業と言われるように、経済的効果をもたらして初めて大きな意義があり、地域の活性化にもつながるものであります。 中野市の観光が経済的に大きく飛躍発展するためには、民間の活力が必要であり、そのためにも第三セクター方式の積極的な取り組みも必要ではないかと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。 最後になりますが、ふるさと創生事業として、日野地区間山に温泉開発と決まりましたことはまことに意義あるものと思っています。あの地域は美しい自然に囲まれた地域であり、温泉と森林を開発した中野市のすばらしい保養地域として発展することを心から望んで質問を終わります。
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○議長(荻原勉君) ここで、昼食のため午後1時まで休憩いたします。(休憩)(午前11時55分)
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○議長(荻原勉君) 休憩前に引き続いて会議を再開いたします。
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○議長(荻原勉君) 岩本博次君の質問に対する答弁から願います。 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) お答え申し上げます。 北信濃の観光都市として、岩本議員には日ごろいろいろとご指導をいただいておるわけでありまして、今後とも何かとご指導いただきたいと存じます。 まず、ご質問の第1点からお答えを申し上げます。 北信濃の玄関口として、高速交通時代に備えたバスターミナル、物産館ということについてのご質問であります。 志賀高原等、観光地の玄関口として、道路や都市施設の整備は重要な本市の課題でもございます。この中にあって、ふるさとの森文化公園等、現在進めている大型プロジェクト事業推進は欠くことのできない課題だというふうに考えております。 それで、バスターミナルということについてのお尋ねでございますけれども、現段階では計画に入っておりません。この点ご了承をいただきたいいわけであります。 それから、物産館というご質問でございます。この点につきましては現在高速道建設に鋭意努力を傾注しておるわけでありまして、これに関連してもまいりますので、今日具体的なお答えを申し上げるという段階まで今ございません。建設することといたしておりますが、運営管理等についてはさらに今後詰めをしなければならないというふうに考えておるわけでございます。 次に、中野市の中心となって北信濃の観光ルート設定ということであります。高速交通網の発達に伴いまして、お説のとおり県内外からの観光客は今後一層増加が見込まれるということであります。こうした観光客を市内に誘客するためには、人を引きつける魅力ある観光ということが大事だと思いますし、そのためには資源の掘り起こし、さらには構築というようなことも欠かせないわけでありまして、当面中野市はこれらの基礎的な取り組みをしているという段階についてはご理解をいただけると思うわけであります。 そこで、観光客の足が点から面に向けて広域的になってきている昨今、北信広域圏を初め、昨年11月に設立をされました北信濃河東文化圏協議会の中で、これを構成する市町村の観光、文化施設、さらに観光事業についてお互いに調査し、そのルート設定を行うとともに広域観光のPR用パンフレットの作成等をいたしたことはご承知をいただいているところだと思います。 中野市の観光としては、ご質問の中にありましたように、また多くの議員から言われておりますように中山晋平記念館、9月1日オープンした日本土人形資料館、そして観光りんご園、さらには今後整備される高梨館跡公園、ふるさとの森文化公園等が挙げられるわけでありますが、これらの施設を結び、誘導するルート設定と道路の整備が必要であるという点については前々申し上げておるところでありまして、これらはいずれも根気強く、そして順序を立ててこれを整備していくということが必要だと思うわけであります。 そこで、観光農業の推進として、観光農園、土産品、贈答品の開発という点について申し上げたいと存じます。 消費者の嗜好が産地直結型に移行している昨今、ますます観光農園や直売所、さらに産地直送の贈答品等が現在注目されつつあるわけであります。ご指摘の観光農園については観光協会傘下の志賀フルーツライン組合を初め、一般農園の協力を得て観光りんご園、すなわち、りんご狩りが好評を得ているわけでございます。 実はつい四、五日前に大阪の高社友の会の幹部を主要メンバーとするふるさと訪問団の企画が起きておりまして、代表四、五名で私のところへおいでになりまして、 100名から 150名程度と考えているが、ぜひひとつ中野のりんご園で、全員でひとつりんご狩りをしたいと、ぜひそういうところを市で心配してもらいたいと、こういうお話もあるほどであります。そしてそれはりんごにかかわらず、エノキダケ、あるいはその他の農産物についても土産として贈りたいと、買っていきたいと、こういう話であります。 いわゆる農協や郵政省の郵パックで取り扱われている、そういうものもこれから我が中野市における大きな観光の手段と言いますか、そういうものによってこれを中身のあるものにし、大勢のお客さんから喜ばれるものにしたいという意味で農業の振興とあわせて観光ということを取り上げていく必要があるというふうに考えております。 リゾート開発と自然保護という点で高社山を中心にした、いわゆる牧ノ入のスキー場等、そしてまた4区共有林を利用した構想等についてのお尋ねであります。現在、高社山一帯についてはリゾート法に基づく地域指定を受けるため、長野県、新潟県の13市町村で県際間、ちょっと聞きなれぬ言葉でありますが、隣り合わせという意味の県際間、長野県と新潟県のまたがったリゾート計画ということで、事務研究会を組織しまして、その中でリゾート法に基づく地域指定を受けるため、ただいま昭和63年10月から研究を事務的に進めておるわけであります。 この研究会は、当初長野県側は中野市、飯山市、山ノ内町、信濃町、木島平村、豊田村、野沢温泉村、栄村の8市町村で組織をして進めてきたわけでありますが、現在は山ノ内町と栄村を除き6市町村で事務研究を進めているということであります。これはリゾートの計画範囲というようなこともありまして、若干縮小をされたというふうに思います。この中で、当市の関係については木島平村とともに牧ノ入スキー場及び、ご質問にありました高社山4区共有林を含めた、いわゆる高社山麓を一帯に、豊かな自然の中で憩い、学ぶことのできる施設、そういうものを建設をするという検討、研究、そして滞在通年型のスポーツ、レジャー、リゾート基地をつくるため、高社山麓ふれあいゾーンを構想として、夢を描き、勉強を進めているところでございます。 しかし、この中で高社山麓ふれあいゾーンについては、今後リゾート法に基づく重点整備地区として進めるためには、対象面積が国の指定要件より不足をしておりまして、企業進出も熟度等もクリアしなければならないと存じます。今後の研究課題でもありますので慎重に進めていきたいと考えておるところであります。 そこで、現在の観光施設の整備、特に目玉となる東山公園の充実というような点についても触れられたわけであります。ご承知のとおり、東山公園は自然環境に恵まれまして、文化遺産の豊富な、しかも中野市街地から善光寺平、さらに北信五岳から日本アルプスまで眺望のできる大変すばらしい公園であるということであります。 こうした恵まれた条件を生かしながら、道路整備や各種施設の整備を図ってきておるわけでありますが、鴨ケ嶽神社を初めとする観光開発についても自然破壊を来たさないということをまず考えて、そしてお説のように諸条件が許せば、遊歩道等の整備、施設の充実等、このたび開館した日本土人形資料館をメインとしての形成を考えてみたらというふうに思っておるところであります。 また、高梨館跡と東山公園を結ぶルートについては、市全体を含めたルート設定の中で取り組んでもいるわけでありまして、これもご理解をいただけるところと存じます。 売店、休憩所の設置については経営上の問題から民間活力にゆだねた、いわゆる第三セクター方式も考えられるわけでありますので、今後の課題として研究をしてみたいというふうに考えております。 中野市の観光が経済的に大きく発展するためには、民間の活力が必要だということ、民法法人の設立を促し、第三セクターということで具体的にご質問があったわけでありす。 施設の整備や条件整備を初めとする観光行政、いわゆるハード面と民間による誘客などを主体としたサービス業務、すなわちソフト面が有効に関連して初めて実効の上がる観光事業と言えると思うんであります。 ご指摘のように観光経済が進展するためには、民間の積極的な活動が不可欠でございまして、お互い双方が補いあう体制も必要ではないかろうかというふうに考えております。 そういう意味で、私は行政だけが一人相撲をするのじゃなくて、そして民間活力、企業の力も借り、そういうものが一体となって、いわゆる第三セクター方式というものを今後大いに研究を深める、懇談を深めると、そういう必要を感じておるところでもあります。 したがって、できるだけ早い機会に自由発想的なものが、言えるような、懇談会的な、いわゆる産学官という言葉は変ですけれども、それらの皆さんの知恵を借りて中野市地域の観光発展はいかにあるべきかということを、まずみんなで考える必要がありはしないかというふうに考えます。 そして、観光を問う以上、観光りんご園のように、中野市の経済にやっぱり裨益するものでなければいけない。これがなければ、本当の意味の発展というものは望めないんではないかと、こんなふうにも考えるわけです。 したがって、訪れて、そして豊かなふるさと、潤いのあるふるさとということだけにとどまらず、さらにそれを積極的に経済振興に結びつけるということも考えていかなければならないんではかと思うわけであります。 いずれにいたしましても、多くの問題点があります、そして特に牧ノ入地区につきましては、近いうちに地元の皆さんのご発想で、道路舗装の竣工を祝ってということで、地元の皆さんと一緒に懇談する機会も設けていただけるような話もきておりますので、そういう中で話し合いをすると。そして大学とか研究施設とか、あるいは林間学校的なもの、そういうものも、これはより地元と話が溶け合うと言いますか、お互い協力しあえるような、そういう下地づくりがまず大事だというふうに考えております。 いずれにいたしましても、いろんな意味で研究、調査、そして懇談を進めたいと存じております。 今後ともご指導をいただきたいと思います。
○議長(荻原勉君) 次に進みます。 順位4番 農業振興について、3番
松島敏正君。 (3番
松島敏正君登壇)
◆3番(
松島敏正君) 3番
松島敏正でございます。 農業振興についてお尋ねをいたします。 先に行われました
参議院選挙におきましては、消費税の強行、そしてリクルート疑獄事件、米の輸入をめぐる農政不信という大きな政治課題に国民のはっきりとしたノーの審判が下されました。 農政問題について言えば公約に反して農産物の
輸入自由化が次々と進められ、日本農業の根幹である米まで怪しくなりました。一方、米作減反の強化、あるいは生産者米価の連続大幅引き下げなど、国内農業の切り捨て政策は年ごとに強められてきました。こうして、逃げ道のない経営危機のもと、将来への展望が見えない自民党農政に強い不満を抱いていた農民は、農政の抜本的見直しを求めたわけであります。 つまり、米の
輸入自由化問題を含む農産物
輸入自由化政策、国際分業論の立場に立つ国内農業の切り捨て政策、国民食糧の全面的な対米依存政策など、農政の基本方向を抜本的に見直し、国内農業を守り、発展させる食糧の自給率をいかに高めるかを国政の根本的あり方として求めたものであります。 しかし、現実の農政は国民と農民を無視して、
自由化路線と日本農業切り捨て政策の強化が進行され、去る4日から開かれた日米構造協議ではアメリカ側から農地の宅地化が要求され、日本政府は総合土地対策要綱を柱に土地政策の見直しに取り組むことを明らかにいたしました。 また、リゾート開発等も含めて、農地の減少が続き、
水田農業確立対策では後期対策に向けては現行の77万ヘクタールの転作から、さらに大幅に拡大をして90万ヘクタールの転作が見込まれていると言われております。 そして、米の輸入に向けて
食糧管理制度の解体と米市場の再編が着実に進められているわけであります。このような情勢の中で、農家と農民はどうなっているかを見ると、この中野市の統計を見ますと、昭和50年に専業農家の割合が30%あったわけでありますが、10年後の60年には26%に減っております。また、兼業農家を見ますと、60年には第1種が専業とほぼ同じ26.3%で、2種兼業農家は全体の半分に近い47.7%となっております。農家数では、50年に 4,070戸あったものが、60年には 3,903戸と 167戸が減となっております。中野市でも単純に見て1年に16から17戸の農家がつぶされていくという数字であります。 一方、農民の実態はどうかというふうに見ますと、60年の調査で15歳から20歳までの人が 419人と全体の 5.7%に過ぎないわけであります。30歳代が14.8%、40歳代が18.6%、50歳代が27%、そして60歳以上の方が33.8%という数字なっております。 また、男女の比率を見ましても全体では男子が44%、婦人が56%と60歳以上にウエイトがかなりかかっていると同時に、その中でも婦人にかかるウエイトが非常に高くなっているということが言えるわけであります。 また、先ほどもお話ありましたように、新規就農者の調査を見ましても、60年から62年までは毎年20名を超える新規就農者があったわけでありますが、去年、ことしと大幅に20名を割るような状況も生まれているわけであります。 こういうふうな数字を見まして10年後の中野市の農業、そしてその構成を予想するとどうなるのか大変心配をされるところであります。国では大型経営農家をつくるために価格政策を進めると同時に、農地流動化に力を入れ、法の改定も含めて農家の選別を行い、弱小農家の切り捨てを一層推し進めようとしておるわけであります。 こうした中で、中野市では付加価値の高い農業に向けて指導をしていく方針というふうに言われておりますが、これからの農業構造政策についてどのように将来的に見通しをされておるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。 次に浜津ケ池周辺の農業についてお伺いをしたいと思います。 北信濃ふるさとの森文化公園が7月に着工されまして、来年度には完成の運びになっております。今から大きな期待、そして関心も寄せられておるところでありますが、当然のことながら開園の暁には市内外を問わず、大勢の人たちが親しまれ、利用されることになると思いますし、この文化公園の隣に浜津ケ池公園があるわけですが、水に親しみ、水辺の憩いの場として文化公園と関連して広く利用されることは言うまでもないと思うわけあります。 この浜津ケ池周辺には道路も未整備のままであり、樹園地を中心に数ヘクタールの農地が耕作をされているわけであります。 文化公園と関連をして、今までとはけた違いに大勢の人たちが浜津ケ池公園周辺を利用するとになると、現実のままでは到底対応できないし、安心して農業を営むことは困難になるのではないかというふうに予想されるわけであります。 豊かな自然に恵まれ、豊かな公園と豊かな農業のための施策をどのようにお考えになっているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 農業の振興についてという点についてからお答えを申し上げます。 ご承知のとおり国は農業改善政策の中で土地利用型農業を確立するため、農用地利用増進法の一部改正を行い、経営規模の拡大を図るということを推進していることはご承知だと思うんであります。 当市農業はエノキダケ、果樹、アスパラガスを中心とした、いわゆる適地的作による集約的施設利用型の農業で、足腰の強い農業の生産地を、形成をしてきているというふうに申し上げて差し支えないと存じます。 そこで、当市においては農地の有効利用を図るため、農業委員を農地流動化推進委員に委嘱して、農業に意欲のある農業者に農地の流動化を図るという意味で、経営規模拡大を推進をしていくということが差し当たって現実的であろうと。そして当市農業の将来展望に当たっては日本に誇る菌茸類ですね、きのこ類、果樹、特にぶどう、アスパラガス等、今日まで築いた実績を堅持をして、その経験と技術を生かし、産地間競争に勝ち残れる農業を目指して関係機関、団体の英知を結集をし、さらに生産性の高い作目を、導入をするということも大事でしょうし、反面、生産コストの低減と天下に誇れる品質の向上ということに、さらに取り組みをしなければならんというふうに思うわけでございます。 いずれにしても、農家の知恵と汗、そして私ども中野市地域の農家が今日まで築き上げてきた、いわゆる施設利用型農業の行く手は必ずしも楽観を許さないわけでありまするけれども、しかし、勤勉で貪欲なまでに意欲を持った市内の農家の皆さんによって、中野市農業というものは決して将来悲観すべきことばかりではないと思うのであります。 しかし、反面、高齢化に拍車をかけている農家の老夫婦の農業経営、そして後継者が生まれない農業経営の農家、そういうものにも大きな不安があるわけであります。お互いによく話し合って、研究し合って、そして市、農業委員会、あるいは農業協同組合、さらに技術指導機関等の知恵を導入をして中野市農業の発展を図る。もう少し範囲を広げて言うならば、貿易が自由化になってもくじけない農業生産地帯を構築するということ、これを農家自身の皆さんと一緒に考えていかなければならんというふうに思っておるところであります。 次に浜津ケ池周辺の対策ということであります。 お話のおとり、文化公園については6月から造成工事に着手をいたしまして、平成3年度にオープンをする予定でございます。 そこで、浜津ケ池周辺は果樹栽培地帯であるというふうなお話、私も十分承知をしております。そのことによって、農薬散布等に、あるいは農作業等に支障が来たさないかというご心配、これも当然だと思うんであります。しかし、世の中は、一方だけがよければいいということではないわけで、したがって、それらをよく調整をし、お互いに摩擦の起きないように、理解し合えるような、そういうあり方というものを具体的に見つけ出していかなけりゃならんと、そういう意味で農地所有者と十分話し合って、こういうトラブルの起きないように努力をしなければならないと思うわけでございます。 ただ、一面、先ほど来お話の出ております浜津ケ池周辺の果樹園を観光と結びつけた農家の発想というようなことも、公園と隣接するがゆえに展望が開けるのではないかと、こういうことも考えられるわけであります。今後とも、また松島議員にも何かとひとつご支援をいただきたいと存じます。
○議長(荻原勉君) 3番
松島敏正君。 (3番
松島敏正君登壇)
◆3番(
松島敏正君) 3番 松島でございます。 継続しお願いしたいと思いますが、最初に農業振興の問題、とりわけ先を見通した構造政策についてでありますけれども、今のご答弁のご認識のとおり、老齢化とそれから若い人たちの就農の数が非常に減ってきているという点、そしてまた一方では先ほどのお話でもありましたように、りんご園だけでも 294ヘクタールの放任と言われるような状況があるというふうな中で、基本的に農業は土地を中心とした農業を確立していくということが基本だというふうに思うわけであります。 そういうような意味では非常に難しい局面にきているというふうに現状を認識するわけでありますが、これに対する具体的で積極的な対応が、いわゆる緊急に望まれるというふうに思うわけであります。 特に先ほどのお話では、農協青年部等を中心に後継者の育成に努めているというお話でありますけれども、よい将来の明るい農業の展望を差し示すような、そういう施策を打ち出してこそ、やはり青年たちが一層努力をし、また新たな農業就農者が生まれることにつながるというふうに思うわけでありますが、そういうふうな意味での農政の確立について改めてお願いしたいと思います。 それから、浜津ケ池周辺の農業の問題でありますが、観光と結びついた農業のあり方というふうなお話もありました。ごく、近代的で時代の要請にもこたえられる方向かというふうに思いますけれども、いずれにしましても、その地域の人たち、あるいはそれを耕作しておられる農民の皆さん方と十分協議をされる中で、早急にその対策を進めていただきたいというふうに思います。 とりわけ、高速道の開通も目前と言いますか、予定をされておりますし、片塩・牛出線の開通も当然それに合わせて行われるというふうに思うわけでありますが、ますますそういう意味では対策が必要だというふうに思うわけであります。 とりわけ、今の浜津ケ池の周辺につきましては、本当に楽しめるような状況の道路ではないというふうなことを見ましても、まずそういうふうな具体的な、また、すぐ手がつけられるようなところから対応していただきたいというふうに思うわけですが、この点についても改めてお伺いをするものであります。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 農業問題を論じる場合、まず基本になることは国の農業に対する基本政策はどうあるべきかと、そのことが見通し立たない限り、日本の国の農業というものはやっぱりはっきりした展望をお互いに持つことを難しいと思うんであります。 私の話で恐縮でありますが、私も第三者に借りてもらってあった土地、もう年をとったからとても耕作できないからお返しをするということで、先日わずかな農地でありまするけれども、お返しになった人と話したんですけれど、こういう農地がどんどんふえてくる。決して他人ごとや絵そらごとではないと、そういう実感は私自身しっかり受け止めているつもりでございますが、問題はお互いに中野の農業というものをどうすればいいのかということは農家も考えていただき、そしてまた私どもも考えると。そういうものの中から中野市農業というものを必要な援助をし、またより足腰の強い農家になっていただくという展望が開けるのではないかと思うのであります。 浜津ケ池周辺の道路ということでご質問があるんだと思うんですけれども、これらは過去にもあそこを道路を新設、あるいは拡幅をする、そういう際に地権者から大変なご協力をいただいてまいった経過も承知をしております。したがって、先ほど来申し上げておりますように、両者が知恵を出し合って、そして共存のできる方途を見つけなければならない。そういう意味で農道整備が必要であれば、これは整備をしていかなければならんというふうに考えております。
○議長(荻原勉君) 次に進みます。 順位5番、観光行政について、市民祭について、1番
吉谷とし江君。 (1番
吉谷とし江君登壇)
◆1番(
吉谷とし江君) 1番
吉谷とし江でございます。 先にご通告いたしました観光行政について、市民祭について、2点について、市長にお伺いいたします。 物より心の時代と言われるようになって久しく、4週6休また、週休2日制が実施される時代になりました。働きながら生活を楽しみ、心豊かな生き方が求められる時代にもなってまいりました。そんな時代の要求にこたえ、各自治体も観光施設やレジャー施設の整備に加えて、ふるさと創生事業が活発に実施されております。 中野市も東山の観光会館に、全国に初の土びな資料館が9月1日にオープンいたしました。連日大勢の参観者で、係の方々もうれしい悲鳴をあげておられます。 古くから人形には、女性は深い愛着がございます。大変うれしく思う一人でございます。 今までは、これという観光の目玉の少なかった中野にも、62年に開設しました晋平記念館、そして土びな資料館と、1日も早い完成が待たれる高梨館跡公園が加わればより一層充実した観光マップができると思います。 観光バスも年々大型化する中、これら市内に点在する観光地点を結ぶ道路が整備されれば、北信濃ロマン街道計画の中にあって、また遠来のお客様を案内するときにも立派な観光名所となるでしょう。 そこで、次の5点について、市長さんにお伺いいたします。 一つは土びな資料館展示室の増設でございます。私も先日行ってまいりました。第1に感じたことは、展示室の狭さです。とりわけ第3展示室は全国54カ所が収集されたお人形が展示されております。ケースによっては窮屈そうにしている人形もあります。これではお人形が死んでしまうと思います。また、ケースに入っていない人形もあります。心ない人の手にかからなければよいがと心配になりました。加えて、展示されているお人形は全体の3分の1ぐらいと聞き驚きました。 地元の人たちは何回も見に行かれますから、ときどき展示品を交換していただければ変化もあって楽しめます。しかし、遠来の皆さまはそうたびたび来ていただけないでしょう。来館された人たちが「見事なものだ。よくこんなに収集されたな」と満足していただき、制作地の方など見に来られたときには「すばらしいものだ。おらほの人形もたくさんあったぞ。ぜひお前さんたちも見に行ってこないか」と宣伝していただくためにも、展示室を増設し、充実した資料館にしていただきたいと思います。 そして、現在多目的ホールを利用して、第三展示室になっておりますが、ここの人形の展示はせめて舞台側ぐらいにして、西側の障子を開ければ眼下に広がる中野の町並み、そして北信五岳の雄大な眺めをめでながら一休みをする場所にしていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。 次に、晋平記念館、高梨館跡公園、土びな資料館、そして歴史民俗資料館などもの有機的利用についてお伺いいたします。 観光施設もそれが点であっては価値が半減します。点を線で結ぶこと、大型観光バスが安全に通れる道路ができて初めてその効力も十二分に発揮されると思います。中野は道路がよく整備されているから安心して行かると観光業者に認められないと観光ルートに乗せていただけないそうです。 間山4号線、これは新野の晋平記念館のところから高遠に至る道路ですが、あそこの 552.9メートルのうち半分弱の 206メートルと、現在の観光会館を下る道路拡張の一部の用地買収費が今回の補正予算に盛られておりますが、これでは全体から見ると細切れです。 先ほど市長さんも岩本議員さんの質問に対してのお答えの中で言っておられましたが、順序を立てて、根気強くやっていくというお答えでございましたが、私はそれでは残念だと思います。 既に土びな資料館がオープンしたことですから、この際思い切った市長さんのご英断で大幅な予算をつけていただいて、単年度で完成をされますようお願いいたしますが、いかがなものでしょうか。 次に、東山公園の整備計画でお尋ねいたします。 岩本議員さんの遠大な東山公園計画をお聞きし、感銘を受けました。重複する点があるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 現在もところどころに集計板、案内板等がありますが、草が繁ったり、やぶになったりしているところがございまして、思うように遊歩道などは通れないところがございます。せっかくつくっていただきました藤棚でございますが、これが公園全体との関連性についてどうなっているのかと市民から聞かれ、私も困ったことがございます。 中野の人々にはなじみの深いお観音さんの本堂、大悲閣観音堂、このお堂は京都の清水寺とまではいきませんが、きれいな舞台づくりになっております。休日には市民が家族連れで訪れ、自然の中の散策に、体力づくりに、また遠来の観光客の皆様にはお堂もうでをしていただくためにも思いつきの整備ではなく、総合的な計画のもとに公園づくりについてお考えをいただきたいと思います。 先日こんな話をされた方がございました。山ノ内の旅館のご主人でございます。 都会から泊まりに来られた中年のご夫婦が、きょうは1日近所を案内してほしいと言われましたので、「それでは」と車の準備をし、まず第1にお観音さんのところに来たら草ぼうぼうでお参りに行けなかった。そこで、観光会館、まだ土びな資料館が開館しておらないときでございます。観光会館と晋平記念館を案内したのですが、どうもお客さんが物足りない様子なので、思いきって足を伸ばし小布施の町を一通りご案内をした。「お客さんは大変喜んで満足をしてくださいましたよ」と話されました。これは中野市と小布施町の観光行政について私に何か訴えたかったのだと思います。 次に、中野市観光PRについてお伺いします。 どんなにすばらしい観光地を持っていてもばっちりとPRして、観光業者のマップに乗せてしまわなければ観光客の誘致はできないと言われます。今までも、山ノ内の心ある旅館さんはお客様をお連れくださる方も多少はあったそうです。これからは中野市活性化のためにも山ノ内は言うに及ばず、県内、そして全国にPRをし、北信濃を訪れた観光客はみんな中野に寄ってもらうぐらいの気構えで宣伝に取り組んでほしいと思います。 冬季国際オリンピック長野開催が実現した暁にも、そのお客様を中野に立ち寄っていただくためにも、今からPRをしっかりしておく必要があると思いますが、市はどのような計画になっておりますか、お伺いいたします。 次に、観光会館に売店の設置でございますが、先ほど設置をしたいというご答弁でございましたので、多くは申しませんが、この売店の設置には地元の人はもとより、市民の中にも強く望んでおられる方が大変おられます。中野にいらしたお客さなが、小布施の土産を買って帰られたのでは大変残念だと皆さん張切っておられる方もございました。 そんな点で、ぜひ奈良さんや西原さんの土びなは伝統ある中野のひな市の販売で手一杯とお聞きしますが、幸い中野市内には土人形をつくっておられる方が大変おられますし、また切り絵の会の方、七宝焼きをしておられる方など、その皆さんたちの作品を販売するとか、中野の特産品、名産品、また産直の果物や野菜を販売する売店を間に合わせ的なものではなく、思い切って整ったものを考えていただきたいと思いますが、いかがなものでございましょうか。 次に、市民祭についてお伺いいたします。 市民総参加、総和楽の願いで、ションション祭りが行われるようになり、ことしで16回目を迎えました。 1年 365日のうち、この日ばかりは市民が同じ思いに心を一つにし、夏の一夜ションション祭りに参加することにより、中野市民としての連帯感を強め、ふるさとを愛する心をはぐくむことにつながることを思い、私も16年間踊りに参加をして、いい汗を流してまいりました。踊り連の中に、懐しい顔を見つけ、日ごろの無沙汰をわび、近況を楽しく話し合ったこともございました。しかし、ことしは行き交う連の中に懐しい顔が少なくなり、子供たちの参加が目につきました。 毎年事務局から発表される参加人員は多少の上下はあっても, 4,000人の大台を上回っておりましたので、安心をしておりましたが、参加層に著しい変化のあることに気づきました。市民祭への参加はあくまでも市民の自由意思であり、区民や職場の人たちの総意で参加をすることになっております。ことしは中野市58区の中、参加したのは38区でした。企業でも参加されないところがふえたと聞きました。 私は子供たちの参加を否定するものではございません。むしろうれしくさえ思います。親子、兄弟、家族ぐるみションション祭りで楽しく踊った子供たちが成人をし、中野の地を離れ、よそで生活をするようになった日に、ふっとふるさとを偲ぶときに、一緒に踊った友達は今は何をしているだろう。祭りに帰ったら友達に会えるだろうと思い、ションション祭りに合わせて帰省をする、そんな祭りになることを願っております。中野市で育った人たちの心の中にいつまでも残り、末長く踊りつがれる市民祭になるよう、夢をかけております。 そんな願いで、次のことを市長さんにお伺いいたします。 市民祭も16回を数え、市民の間に定着したと思っておりましたが、必ずしもそうとは言えないようです。第1は、先ほども申しましたが、大人の参加者の減少です。最初は大人だけで四千四、五百人の参加がありましたのに、ことしは子供を含めて 4,200人余りです。ある区の役員さんは「毎年頭を下げて踊ってくれる人を頼んでいるんですよ、これじゃたまったものじゃないです」と言われました。 次は子供の参加が多くなってきたことです。 私は子供の参加を喜んではおりますが、しかし、大勢の子供たちにその面倒を見てくださる大人の方が十分ついていただけない連が見受けられます。夜の祭りですから心配になります。 3番目に祭りに参加をすると1回15万から20万円の経費が必要になり、苦労をしているという区の役員さんのお話を聞きました。「やっと頼んで出てもらったのであるから、当日の夕食や、また踊への送り迎え、そして慰労会、ばかにならなよ。」と苦労話をされました。 次にションション祭りの歌の文句ですが、市民になじまない部分が出てきたということです。 市制施行20周年の記念の作詞ですから、「町が市となりふたとせ過ぎた、歌えはやせや」という文句でございますが、このように祭りに対して市民の意見が大変多くなってまいりました。 市民祭の本来のあり方等を含めて、市民が楽しみに待ちこがれる祭りにするためにも、そろそろ見直しをするべきではないでしょうか。市長さんのお考えをお伺いいたします。 以上で終わります。
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○議長(荻原勉君) ここで10間休憩いたします。(休憩)(午後2時03分)
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○議長(荻原勉君) 休憩前に引き続いて会議を再開いたします。
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○議長(荻原勉君)
吉谷とし江君の質問に対する答弁から願います。 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 観光行政についてのご質問にお答えを申し上げます。 まず、東山にオープンいたしました土人形資料館の増設ということについてのお尋ねであります。 展示室等の増設ということは現在考えていないわけであります。それには、もちろん諸般の事情、すなわち今すぐ増設をするという用意をしないまま、そのご答弁を申し上げるというのはかえってご質問いただいた、吉谷議員さんに失礼だと思いますので、ざっくばらんにお答えいたしますが、土地あるいはでき上がっている現在の建物、そういうものから考えて、増設と言ってもにわかには、どうしたらいいのかというふうな迷いの方が多いわけであります。しかし、展示室の中、特に第三展示室は私も入ってみまして、畳の部屋で狭苦しいという感じは持っております。 そこで、現状の状態で、当面、より皆さんに喜んでいただけるような展示方法というのがどうすべきかというようなことについては現場に十分研究をさせたいと考えておりますので、ご了承いただきたい。 次に、観光会館、すなわち土人形資料館あるいは晋平記念館、高梨館跡公園、そういうものを有機的に結びつけたらどうかと、こういうご質問でございます。そのとおりでありまして、ただいまお話のありましたように、日野4号線については拡幅改良を急いでおるところです。これも率直に申し上げますと用地買収に大変な努力を地元の方々にお願いをして、そして地権者にご理解をいただいて初めて事業費の補正を組んだということであります。 もう一つご理解をいただきたいのは、市長の決断で道路予算をこれ以上ふやすということは、これは私もやりたいんでありまするけれども、ご承知のとおり中野市の土木費が総事業費の全体の中で占める割合も非常高くなっておるわけで、そして道路一本一本事務当局は財源の裏づけまで積み上げて初めて具体化し予算化できると。したがって、日野4号線につきましても、あるいは起債、あるいは補助制度、そういうものを模索して、そして取れる部分については積極的にこれを取り込んで具体化するというパターンを繰り返すわけでありますので、できるだけ早く日野4号線については完成をさせたいという思いは同じでありまするけれども、それらの事情はご理解をいただきたいというふうに考えております。 そこで山ノ内温泉の旅館主の話を参考としてお話いただいてわけで、その際、私気づいたことは、先ほど岩本議員にもお答えを申し上げたけれども、中野市の場合は率直に言って市長、市、それだけではできる範囲がおのずから制限されると。したがって、民間もあるいは企業も、団体も、そういうものも含めて中野市の将来展望を考えるべきであるというふうに思うわけであります。私もその点大変気にしておりました。 かつて、小布施町の新しい町長さんと率直にその点を話し合いをしました。まあ、小布施の町長さんもああいうざっくばらんの人ですから、「小布施の町で小布施のこれだけの形成のために町費はどのくらいお出しになっているんですか。」と聞きましたら、「正直を申し上げますけれども、ああいう記念館とかそういうものには必要最小限のものを出している。」と、そしていわゆる「土産物を売っているような店、そういうものについては全部個人もしくは民間の金でやっているんであって、町費はかかっていない。」と、こういう話であります。そして、そういうものの歴史の積み重ねが今日の小布施の観光ということでありまするから、私も中野市の観光を考える場合に小布施の長い歴史を、そういう面からも参考にして、みんなで知恵を出し合うというものにしたい、そういうふうに考えておるところでございます。 藤棚、その他の点に、いろいろ率直なご発言がございました。これらはご意見としてお聞きをし、今後に資していきたいと考えております。 中野市の観光PRということでありますが、観光パンフレットというようなものは長野県の観光案内所とか、あるいは県外の旅行社、信州の観光店等を通じて中野市を極力紹介をいたしております。そういう努力をいたしておるわけであります。 そして、上信越ふるさと街道協議会、それから北信濃河東文化圏観光県協議会等とも連携をして観光を広域の面からもPRすると。そして各種イベントも考え、また参加すると、それらが中野市のPRであるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、この中野市の今後の発展ということを考える場合に、お話のとおり、PRも大切な要素だというふうに思いまして、努力をいたすつもりであります。 売店の設置ということでありますが、これも正直を申し上げて土人形資料館、観光会館はごらんの設計になっておるわけであります。 もう一つ、市が売店を直営でつくるというのはいかがなものか。むしろ私は第三セクター、市ももちろんその核になって努力はいたしますけれども、第三セクター方式というようなことで検討をしなければ現実性がないというふうに考えておるわけでありまして、岩本議員にお答えをした点とも考えあわせて、今後皆さんのお知恵も借りていきたいと、こんなふうに考えておるわけであります。 市民祭のことについて触れられたわけであります。市民祭はどうも申し上げるまでもなく、中野市民祭推進会というのが母体でありまして、そして実行委員会が市民祭というものを実施をしておるわけであります。 したがって、推進会あるいは実行委員会の中でご質問にあった点は率直に報告を申し上げて、研究、検討をしていただきたいと考えております。 第1回は49年ということでありますので、16回までの参加者は毎年約 4,000名台、最高は第6回の54年の 4,638人というのが最高でありますが、ことしは 4,220名、わずか減少をいたしておりますが、しかし、参加するものの中身が大分変化してきているという点についてはご指摘のとおりだと思いますが、いずれにしても、この市民祭というのは中野市の市民のお祭りであるということを考えれば、みんなでいい祭りにしていくという意味でご質問があった点は率直に参考にさせていただきたいと存じます。 各区の区長さんに大変ご迷惑をかけているということも、これは事情としてよく理解できるわけであります。問題は市民祭を第1回から始めて今日推進委員会あるいは実行委員会というものを16回続けておるわけであります。それらの見直しはあってもよろしいとは思うのでありまするけれども、問題は他に実行委員会組織が果たしてとれるかどうかという不安があるわけでありまして、直ちにこうするというお答えを申し上げかねるわけであります。 そこでションション祭りの歌詞について触れられたわけであります。これはもう吉谷議員さん十分にご承知をいただいておるわけで、市制20周年の記念としてできたわけでして、したがって、町が市となりふたとせ過ぎたという歌詞、これはもう作曲、作詞のときからその点については研究をされたようであります。しかし、大変に率直な例を引き合いに出しますけれども、中野小うたの中に町の真ん中に川があるという意味と同じく、これを長い歴史を持つふるさと中野市というふうにイメージを置きかえるならば、市制20周年を記念しての歌であるということでございます。 もちろん、市民の中にはそれらを直接とらえて疑問を持たれる方もありましょうけれども、20周年記念事業としてこの市民祭が始まったということをご理解いただくような、またPRもしていきたいというふうな考えでおるわけであります。 何分のご理解をいただいた上で、今後ともひとつ観光行政にお力添えをいただきたいと存じます。
○議長(荻原勉君) 次に進みます。 順位6番 農業集落排水事業の今後の具体的な計画について、9番 今井幸夫君。 (9番 今井幸夫君登壇)
◆9番(今井幸夫君) 9番 今井幸夫でございます。 先にご通告を申し上げておきました農業集落排水事業の今後の具体的な計画について、市長並びに経済部長にお尋ねをいたします。 小川に蛍が飛び交い、清流でなければ住めないカジカが泳いでいるような快適な生活環境を確保することは大変難しいことではございますけれども、下水道を整備することによってその夢も実現され、大きな社会問題になっている農家の嫁不足の解消の一助にもなり得ることと思います。 下水道の普及率が文化の高さのバロメーターと言われ、最も進んでいるイギリスが95%、次いで西ドイツが91%、さらにカナダが74%、アメリカ73%等となっており、我が国の下水道の処理人口普及率は昨年3月に比べると1%増の40%で、大きく立ちおくれており、長野県では昨年より2%増の22.2%となっており、全国に比べると大幅に低いのが実情であります。 中野市にあっては、本年3月31日現在、4万 1,000人のうち、整備区域内の人口は1万 1,000人で、わずか25.7%で、岡谷69.6%、松本56.5%、諏訪50.7%、長野43.2%に比較しても著し低く、水洗化人口はわずか17.9%の 7,400人でしかありません。 これは1町8カ村が合併して誕生した田園都市の特殊性も原因かもしれませんが、今計画されているというものが全部完成しても 548ヘクタールで、整備区域内の人口は2万 3,000人で55.7%、44.3%、1万 8,000人はその恩恵に浴することはできないわけで、今の二期計画完成の暁には見直しがされるということですが、公平の原則の立場から小型合併処理浄化槽モデル設置事業の拡大、集落排水事業等の導入も真剣に取り組む必要があるのではないでしょうか。 農業集落排水事業は、農業用排水の水質保全、農業用排水施設の機能維持、または農村生活環境の改善を図り、あわせて公共用水域の水質保全に寄与するため、農業集落におけるし尿、生活雑排水等の汚水、汚泥、または雨水を処理する施設を整備し、もって生産性の高い農業の実現と活力のある農村社会の形成に資するために、昭和48年に農村総合整備モデル事業の一嚆矢として創設され、昭和51年からは農村基盤総合整備事業の一嚆矢として実施され、昭和58年には本事業を単独で実施する農業集落排水事業が創設をされ、昭和63年度末の全国の着工地区数 395地区、うち 214地区において供用が開始されており、県下の場合本年6月現在7市10町9村で46地区が着工されており、そのうち供用開始地区が14地区で、現在供用人口 7,031人で、1地区平均 522人がその恩恵に浴しております。 草間地区集落排水事業は昭和61年5月16日付けで、計画人口 660人、 132戸で県下で14番目に採択をされ、平成2年、来年の4月1日供用開始を目標に、市当局並びに関係各位のお力添えによって順調に工事が進められているわけでございますが、初めて話があったのが60年の7月ごろで、スムースに進んできても5カ年の歳月がかかった状態でございます。 本年は、県下で40カ所ぐらい希望が出ており、8カ所ぐらいしか採択にならず、20%という大変狭い門になっていると聞いております。 市内からも草間地区へ、数カ地区から視察に来ていると聞いておりますけれども、もし希望する地区があるならば、四分六印を押して、年次計画を早急につくり、積極的に採択になるよう努力すべきであると思いますが、いかがでしょうか。 昨日の青木議員の質問に対して、下水道マップをつくり、ダブらないように対応していくとお答えがありましたが、公共下水道、農村集落排水事業、合併処理浄化槽と手段、方法が異なっても、4万 1,000有余の全市民が近い将来快適な生活が送れますように、さらに格段のご努力をいただきますことをお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。 よろしくお願いいたします。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 今井議員にお答えを申し上げます。 まず、その下水道の整備促進ということでございますが、これにつきましておっしゃるとおりであります。ただ、しかし正直を申し上げて中野市の財政力、平たい言葉で言えば中野市の器量でこれだけ、少なくとも公共下水道に早い取り組みをしたのは長野、松本等、いわゆる長野県下の大都市を除けば、中野市は歴代の理事者、議会が非常に決断をもって公共下水道に着手をされたという点に、私ども後に続く者としてやっぱり高く評価をしなければならん。 ただ、問題はご承知のとおり公共下水道を進める上で、一般財源ベースでことしは4億ということであります。 したがって、これを早期に、しかも全市に完成をさせたいという希望は私ども十分理解できるわけでありますが、先ほど申し上げましたように計画的に、そしてあらゆる条件を整えて、そして、今後問題を残さないような事業進行を図らなけゃならなというふうに考えておるわけであります。 そこで、青木議員のご質問にもお答えを申し上げたんですが、公共下水道の受益地区というものは現在建設省と協議を決めらておるわけであり、それは大きな市街地を優先するという考え方になっておりまするから、例えば同じ都市計画区域内でも東山等は当初計画から除外をされておるということでありまして、それらは、今後できるだけ早い機会に事業の進行具合を見ながら、受益地区に加えていくということを考えなけりゃならんと。 そして、今お話のありました農村集落排水事業は農水省の補助事業でありまするから、長野県に割り当てになる1年の箇所数というのは極めて狭いもんであり、私ども中野市も既に2番目の希望の手を挙げております。 そこで問題になるのは、公共下水道の受益地区はこれはもう色ぬりができるわけですから、そして将来編入する計画区域もその次の色が塗れるわけです。問題は純農村地区と言われるところを果たしてどの程度の年数で農村集落排水事業が取り込みできるかという見通しを持つ場合に、これはなかなか容易なことではないということであります。 したがって、お話にありましたような小型合併浄化槽の制度も導入をして、おっしゃるとおり1日も早く下水道の完備した、きれいな、衛生的な町にするということで苦慮をいたしておるわけであります。 ダブらないようにするというのは、農村集落排水事業を取り込もうとする地域に小型合併槽を先に入れてしまうと、その足りない点がまた一つ問題になると、そういう意味でただいま事務当局に関係部局寄り合って、そして今後の下水道事業の基本について検討をさせておるわけであります。その点はご理解をいただいているというふうに考えておるわけです。いずれにいたしましても、この農業集落排水事業につきましても市費負担が伴うわけで、中野市全体の財政運営上限度額はどこまでかということも、市政を計画的に運営する上で非常に大事な部分でありまするので、これらの点も、ご理解をいただきながら、またお知恵を借りて前進をしたいと、こんなふうに考えております。 以上、私からは。
○議長(荻原勉君) 経済部長。 (経済部長 小林治己君登壇)
◎経済部長(小林治己君) 市長答弁に補足をさせていただきたいと思います。 今、草間地区の農業集落排水事業につきましては、今井議員さんから地元の事情も踏まえてご説明あったとおりでございますので、あえてそのことについては省略させていただきたいと思いますけれども、平成2年度から供用開始をしたいということでございます。 今、市長から申し上げましたとおりに、農林水産省が扱っております農業集落排水事業につきましては、農村の環境改善を図るという、こういう観点の中で国の農水省の中でもようやく農業集落排水事業ということの位置づけがされてきたということであります。そんなことの中で、国もこの予算獲得に非常に努力をしてきておるわけであります。 そこで、農業集落排水事業の実施希望地区が非常に多いわけでございまして、希望地区が非常に多いために、あるいはまた希望する地区においては区の役員さん等が中心になりまして、この農業集落排水のあり方等についていろいろ区自体でご検討いただいているようなところがあるわけでございまして、このために自主的に勉強会を行ったり、あるいは視察等を行っておられるわけでございます。 しかし、この事業は先ほども市長から答弁を申し上げましたとおりに、非常に希望地区が実は多いわけでございまして、先ほども議員さんから話がございましたように、県下においても本年度の希望地区が40カ所あるのに対して、実際の採択は8地区ということで、なかなか採択条件も厳しくなっておるわけでございます。 たまたまこの事業につきましては、先ほども5年ぐらいかかるという話があったわけでありますけれども、比較的採択をしていただいた場合については予算づけが非常に早いのがこの事業でございます。 他のモデル事業についてはなかなかこれほどの単年度事業費がついてこないわけでありますけれども、比較的つきやすいというのが実態でございます。 そこで、今後進める場合、私ども、公共下水道、そして合併処理槽、そして農業集落排水、こういうものを調整をして下水道マップを作成する中で計画的な推進を図ってまいりたいということでございますけれども、財源的な問題、そして一番は、今井議員さんの地元でも苦労されたように、一番は、私どもの立場にいたしますと、放流の同意なんです。放流の同意がなかなか取れないというのが実態でございます。 そんな地区のことも踏まえまして、その辺の箇所づけを早急にやってまいりたいというふうに思うわけであります。 ただ、先ほどから申し上げておりますように、なかなか採択条件が厳しいわけでございまして、なかなか計画どおりいきませんけれども、鋭意努力をしてまいりたいということでございます。 以上でございます。
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○議長(荻原勉君) 以上をもって、通告による市政一般質問は全部終了いたしました。 この際、ただいままでの市政一般質問について関連質問を許します。 初めに総務関係について願います。 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君) 青木でございます。 田中議員の質問に対する関連質問を行いたいと思います。 田中議員は国旗、市旗の常時掲揚について市庁舎にも掲げるべきだと、こういう質問をされたわけであります。 最初に、市長にお伺いしたいのは、日本におきまして国旗というものが法制上どのように決められているのかどうか。日本における国旗とは何を根拠にして、田中議員は日の丸ということをおっしゃったわけですけれども、そういうふうなものに結びつくのかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 私にお聞きになる、その国旗の制定の根拠ということだと思うんですけれど、私の聞いている限りでは国旗という法制定の根拠は今日までないというふうに聞いております。 以上であります。
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君) 青木でございます。 継続でお願いしたいと思います。 今、市長がお答えいただきましたように、日本における国旗の法制定はない、これが何人も認めることであります。その上に立ちまして、お伺いいたしたいと思いますけれども、そういたしますと、昨日の田中議員の質問における国旗というものはないものですから、当然のこととして、常時市庁舎に掲げるというものは国旗としてはないというふうに判断できるというふうに思うわけであります。ところが市長はきのうの答弁の中で検討をしてみたいと、こういうふうにご答弁をされているわけであります。国旗という法制定がない以上、これを掲げられないということは何人も認めることであります。 私たち、中野市にも市章というものがありますけれども、これは大きさの比率、あるいはまた感覚等についてはっきりと定められて、この規格に合わないものは市章として認められないというふうに考えられるわけであります。 そういう点で昨日の田中議員の、いわゆる国旗イコール日の丸の掲揚ということはあり得ないというふうに判断できるわけですが、明快なお考えをお伺いしたいと思います。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 日の丸については、私の聞いている考え方は国の象徴としてというふうに聞いておるわけです。したがって、日の丸を国の象徴として掲げろと、こういう田中議員のご質問であります。したがって、掲げるというご意見の方もあれば、掲げちゃいけないという方もおあり、それで慎重に対応検討いたしますと申し上げておるわけです。 (「全くそのとおり」という声あり)
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君)
青木豊一でございます。 ただいまの答弁はちょっと昨日の質問ともちょっとあれになると思いますけれども、田中議員は明らかに国旗イコール日の丸というふうに結びつけて質問され、また市長の答弁を聞いていた範囲でも、今答弁いただいたような日の丸というものを日本の象徴とて考えて答弁をされたというふうな状況はなかったというふうに思うわけであります。 また、個々には今市長が答弁されたように、日本の象徴だというふうに位置づけられる方もおいでかとも思いますけれども、
市長自身もご答弁でもおっしゃったように、私の聞いているところでは象徴というふうに言うんだと。こういうことですから、このことがいかにもあいまいなものであります。 いずれにしましても、このように日本には、国旗というものが法制定として明確に位置づけられていない。これが厳格なる事実であります。 同時にまた、日の丸という問題につきましては、確かに「君が代」とは違った意味合いがあることは私も十分承知しているところであります。 しかしながら、日本が、侵略戦争を進めていく過程の中で、必ず日の丸が象徴としてはためき、それに基づいて日本軍が侵攻するというふうにして、文字どおり日の丸が軍国主義のシンボルというふうに位置づけられたことは、これまた歴史的事実であろうというふうに思うわけであります。 そして、今日の臨教審の中で、こうした、いわゆる東郷元帥が改めて日本の教科書に登場してくるというふうな新しい軍国主義の風潮の中で、日の丸の問題が非常に大きな問題としてクローズアップされてきていると。こうした、歴史的な事実と経過からいたしましても、私は、神聖なる公舎に対して、そうした国旗でもないもの、またそうした軍国主義のシンボルとして使われたもの、こういうふうなものを中野市の庁舎に掲げるということは絶対できないことですし、また私たち議会も非核三原則を尊重して、そして
非核平和都市宣言を明確に、うたっているわけですから、こうした、私たちの宣言都市としても全くなじまないことであります。 また、きのうの答弁では、祝祭日にはこうしたものを掲げているということであったわけですけれども、こういう点からいたしましても、決して日の丸を見て祝日をお祝いすると、こういう方も市民的にも少なくなっているわけでありまして、そういう点で、こうしたところにもあいまいな、括弧づきの日の丸ですけれども、こういうふうなものは、掲げるべきでないということを強く申し上げるとともに、お考えをお伺いしたいと思います。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 青木議員のご意見として承っておきます。
○議長(荻原勉君) ほかにありませんければ、次に社会文教関係について願います。 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君) 社会文教関係の中で、同僚の松島議員が同和対策につきまして質問したわけであります。 松島議員の質問の根拠は、山ノ内町の中学校で起きた事件だけれども、この部落解放同盟に対して中野市が公的支出をしていると、こういうふうな観点からこの問題に接近したわけであります。 そのときに、答弁の中で、確認糾弾会は勉強や研修の場だから、これは当然のことであると、こういうふうな答弁があるわけであります。 この点につきまして、改め市長にお伺いするとともに、教育長にお伺いしたいと思うんですけれども、これまで教育委員会として同和問題についての市民の意識調査をおやりになっているわけであります。このときに、啓発活動の一環として確認糾弾は大変結構だと、こういうふうなご意見がどれだけあったかということをお伺いしたいと思います。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)
◎市長(土屋武則君) 部落差別があってはならないし、そしてなお今日差別事象が起きている。それを掘り下げて何がそうさせているのか、そしてそういうものをなくしていくにはどうすればいいかと、そういう話し合いの場は持たれても、それなりきの私は意義があるというふうに考えておるわけです。
○議長(荻原勉君) 教育長。 (教育長 嶋田春三君登壇)
◎教育長(嶋田春三君) 意識調査について、今ご指摘の項目が上がっているかどうか、手元へきている資料がないもので調べさせておりますが、……以上でございます。
○議長(荻原勉君) 17番
青木豊一君。 (17番
青木豊一君登壇)
◆17番(
青木豊一君)
青木豊一でございます。 関連でお伺いしたいと思うんです。 ただいま教育長がお答えになったわけですけれども、私が調べたところではそういう意識調査の中に確認糾弾が啓発活動として役立つかどうかと、こういう質問の項目もありませんし、このことを評価する意見も一つもないわけであります。 今の市長の答弁では、学習、研修の場として結構なことだと、こういうふうにおっしゃるわけでありますけれども、しかし、教育委員会自身が啓発活動として市民の意識調査の中でも言っていることは、講演会あるいは研修会、小単位による懇談会、テレビ、映画などによる啓発活動、広報の中の等云々、幾つかあるわけですけれども、確認糾弾集会が啓発活動として大変有効な手段だということは1カ所もないわけであります。 いわゆる、こうした事実を見ましても、確認糾弾というものは、普通の手段ではないと。一般的な啓発活動でないということが明確に言えるというふうに思うわけであります。 以前にも問題にもしたわけですけれども、例えば総務庁が出している地域改善対策啓発推進指針の中でもこの問題について言及した箇所があるわけであります。 私がメモを書いてくると、また皆さんで、私の判断だというふうにお考えになるといけませんので、改めて啓発推進指針そのものをお持ちしているわけですけれども、ここでも言われていることは、一部の民間運動団体が自治体への協力と位置づけている確認糾弾行為も被糾弾者を大衆の面前に引き出すことによって、またときには大勢で激しく非難することによって、被糾弾者のみならなず、一般国民に怖いという意識とともに接触を避けた方が賢明という意識を助長している傾向が見られる。これは部会報告でも明らかにされているように、それが始められたころの社会環境と、今日のそれでは極めて大きな違いがあるにもかかわらず、一部の団体においては運動理念及び形態が従来のままであるということに起因すると見られる。同和問題解決のためには民間運動団体の啓発のあり方についても再検討が望まれるというふうに明記されているわけです。 そして、他の箇所で、こういう確認糾弾行為というものは一部の運動団体の行為なんですね。ところが、これに行政が加わることがどういうことかということについても言及されておりまして、ここでは次のように述べているわけです。 「憲法の趣旨に従い、法を率先して遵守すべき国、または地方公共団体の職員が確認糾弾の場に出席し、差別事件の処理を私的制裁にゆだねるごとき印象を一般国民に与えているということは、行政職員として好ましくないことである。さらには、確認糾弾については民間運動団体の間にも厳しい批判があるところであり、このような場に行政職員が出席することは行政の中立性の要請から見ても望ましくないことは明らかである。 行政職員が憲法の趣旨に忠実な法の遵守と中立性の堅持を第一義とすることなく、啓発をもって行っても国民の心からの需要を期待しがたいのは当然である。行政が姿勢を正さずして真の啓発はあり得ない」というふうに、公文書として明らかにされているわけであります。 こういう点からいたしましても、確認糾弾集会に行政が参加し、また行政がそれを是とするということは絶対に許されないことであり、県下でも行政がそういうところへ出て行くことについては、非常に少なくなっているという事実があるわけであります。 改めて、この点についての見解を明確にお答えいただきたいと思います。 以上です。
○議長(荻原勉君) 市長。 (市長 土屋武則君登壇)